藤井四段を高く評価する師匠・杉本昌隆七段の発言(炎の七番勝負第1・2局より)

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記事は、藤井聡太四段が偉大な記録・29連勝に向かって現在進行形で突き進んでいた時期に書かれました。冒頭のあいさつ文は、すでにリアルタイムの情報ではなくなってしまったので、目次よりも下に移動しました。本文やまとめの文も、原則、当時のままにしています。

 

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ごあいさつ(2017年6月13日執筆)

 

ブログを見に来てくださりありがとうございます。
今週も将棋ファンにとっては楽しみな対局が行われますね。

 

まず注目なのはもちろん、藤井聡太四段の対局ですね!

6月15日は、藤井四段の公式戦26連勝がかかった対局が行われるということで、考えるだけでなんだか緊張してきます(笑)。

 

 

26連勝のかかった勝負の舞台も、プロ棋士のランクを決めるリーグ戦である順位戦ということです。

 

順位戦は将来名人になるために勝ち進まなければならない棋戦でもあり、まさに歴代最高の連勝記録である28連勝への挑戦にふさわしい舞台といってよいでしょうね^^

対戦相手は、瀬川昌司五段で、奨励会を年齢制限のために退会した後、アマチュアの大会で実績をあげ、将棋連盟の特別規定によりプロ棋士デビューを果たした人です。

 

 

ところで、藤井四段が1日で3勝して23連勝目を達成した上州YAMADAチャレンジ杯での3戦目の相手は、今泉健司四段に勝った宮本広志五段でした。

今泉四段は、瀬川五段が前例をつくった特別規定によりプロ棋士デビューを果たした棋士で、もしも藤井-今泉戦が実現していたら、史上最年少デビュー棋士と戦後最年長デビュー棋士との対決となっていたのだそうです。

 

最速でプロデビューした棋士と、まわり道をしたものの、実力を認められてデビューした棋士との対戦というのに興味があって、実現したら是非注目したいと思っていました。

 

 

上州YAMADAチャレンジ杯では藤井-今泉戦は幻に終わったわけですが、今度の藤井-瀬川戦もそれと同様な意味があるので、凄く興味があります。

 

 

それから、その2日後の6月17日には、棋聖戦五番勝負第二局が行われます。

炎の七番勝負にも登場して、藤井四段と激しい将棋を戦った斎藤慎太郎七段が、羽生善治棋聖に挑戦するシリーズです。

 

羽生先生と今勢いのある若手のタイトル戦ということで、こちらもチェックしておきたいですね。

 

 

どちらの対局も、ニコニコ生放送で観戦することができます。

生放送で観られない人は、タイムシフト予約をしておくといいと思います^^

 

 

さて、最新情報を追いかけるのはこれくらいにしておき、今回の本題に入ります。

今回は、記事タイトルの通りで、また炎の七番勝負を、切り口をかえて振り返ってみましょう。

 

前回の記事でも名前が出てきた、藤井四段の師匠・杉本昌隆七段が、いかに藤井四段を高く評価しているか、というようなことを書いてみたいと思います。

 

 

炎の七番勝負の開幕前・序盤での師匠発言

 

中学生でプロデビューした才能ある棋士と世間で評判になってはいても、デビューしたばかりで実績ある棋士たちに勝てるものなのか、疑問に思っていた将棋ファンも多かったと思います。

 

師匠の杉本七段の発言は、そんな疑念をもった将棋ファンさえも、俄然炎の七番勝負や藤井四段に注目させるようなものでした。

 

驚愕の師匠発言「炎の七番勝負を全勝しても驚きません」

 

AbemaTVでの炎の七番勝負の番宣の中で杉本七段は、「七戦全勝しても驚きません」という発言をしていました。

 

 

番宣に出てきたこの発言だけをみると、棋士らしからぬ不遜な発言ともとれるのですが、実は発言の一部に過ぎません。

炎の七番勝負の第一局の解説のときに、杉本七段が言っていたのは、次のような言葉でした。

 

「そうそうたる棋士が対戦相手なので、七戦全敗してもおかしくなりません。しかし、七戦全勝しても私は驚きません。そんなに驚きません。」

 

 

実際の結果は、6勝1敗で、師匠の発言を裏付けるものでしたね。

でも、最初に放送を観たときは、私はこの発言をあまり真に受けていませんでした(笑)。

「いくらなんでも藤井四段を持ちあげすぎでは?」と思っていました。

 

 

第七局の羽生戦の放送を観た後、ふと再放送を観て上記の師匠の発言を聞くと、「うん、藤井四段なら全勝してもおかしくないね」などと思っている自分がいました^^

 

こうして改めて振り返ってみると、藤井四段の活躍を、炎の七番勝負開幕前から予想できていた杉本先生の慧眼に感服します。

 

藤井四段の将来のタイトル挑戦を楽しみにする師匠発言も

 

炎の七番勝負では、シリーズ全体を通して藤井四段の将来のタイトル挑戦・獲得を楽しみにする言葉がたくさん出てきました。

 

 

炎の七番勝負の後半戦では、藤井四段にすでにA級棋士を倒す実力があることが明らかになり、さらにその後の25連勝という活躍から、今年にもタイトルをとってしまうのでは、と世間に期待させるほどの勢いを見せています。

 

それ以前の、炎の七番勝負の前半の時点では、他の中学生棋士の先輩方が皆タイトルを獲得する活躍を見せていることから、藤井四段も将来のタイトルの獲得が期待されます、というくらいのものでした。

ところが師匠・杉本昌隆七段は、第1局の時点で強気な発言をしていました^^

 

「持ち時間が短い将棋ですが、この藤井-増田戦は、タイトル戦のような雰囲気がありますね。将来、本当にこの2人のタイトル戦というのもあるかもしれません。」

 

当時は私も藤井四段がそこまで強いとは知らなかったので、あまりピンときていなかったのですが、今の状況からすると、藤井四段はタイトルにそう遠くないようにも感じます。

 

とはいえ、先のことはまだわかりませんね(笑)。

 

杉本七段の読みでは、増田四段が先にタイトルを取って、藤井四段の挑戦を受ける、というタイトル戦が近い将来実現するかもしれないとのことでした。

ここでも杉本先生の予想通りになるか、それとも予想以上に早く、2017年度に藤井四段がタイトル戦に出てしまうのか、注目ですね!

 

藤井少年の弟子入り・奨励会入りについての杉本昌隆師匠のコメント

 

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炎の七番勝負では、杉本先生が昔を振り返って、藤井四段の少年時代のエピソードを語るシーンがあります。

将棋以外のことも含めて、色々なお話が聞けたのですが、ここでは今回の趣旨に合うものに絞って紹介します^^

 

もっと具体的にいうと、杉本師匠への弟子入りと、その後の奨励会入りに関してのコメントを紹介します。

 

藤井少年の弟子入りを喜んだ杉本師匠

 

杉本先生は、藤井少年が自分への弟子入りを希望してきたときに、嬉しかったそうです。

 

 

実をいうと、杉本先生この反応は、藤井少年がいかに将棋の素質を高く評価されていたかをものがたっています。

 

プロ棋士というのは、競争率が一流大学の入学試験よりも高く、簡単にはつけない職業です。

弟子入りを受け入れるということは、そういう厳しい世界に、小学生くらいの子供を入れてしまうことを意味します。

ですので棋士の先生は、弟子にしてくれと頼まれても、どうしても複雑な心境になってしまうのが普通なはずです。

 

 

ところが、藤井少年の弟子入りに関しての杉本先生の心境は、これとは全く違っていて、そして、別な意味での複雑な心境がありました。

 

杉本先生はその頃、藤井少年は確実にプロ棋士デビューすることができると考えていました。

とはいえ、奨励会を抜けて棋士になるのも、プロ棋士の世界で勝って生き残っていくのも大変なことであるのは間違いありません。

そういう理由もあってか、自分から弟子にならないかと誘うわけにはいかないとも思っていたようです。

 

他の棋士の先生に弟子入りする可能性も十分にあり、もしそうなったら「才能の流出だな」と思っていたそうです。

 

結局その心配はなく、杉本先生はめでたく藤井少年を弟子に迎え入れることができたのでした^^

 

藤井聡太少年の小学4年生での奨励会入りに関しての杉本先生のコメント

 

弟子入りというのをなぜするのかというと、プロ棋士になるための機関である奨励会に入るためには、師匠が必要なためです。

 

藤井四段がどのタイミングで杉本先生に弟子入りしたか、ちょっと忘れてしまったのですが、ともかく、弟子入りをしたらその後は当然奨励会に入るわけですね。

 

 

奨励会に入る時期というのは、人によって違いますが、小学校5年生か6年生くらいが普通とのことでした。

 

奨励会入会の時点で、アマチュアの五段か六段くらいの実力が必要とのことで、実に恐ろしい世界ですね。

 

藤井少年は小学4年生のときに奨励会に入ったそうですので、とても早いですね。

普通ならば、アマチュアの大会でもっと活躍してから、と考えるような時期だそうです。

 

杉本先生は、藤井少年ならば大丈夫、と考えていたそうです。

プロの先生にそこまで言わせる小学生、まさに驚異的ですね。

 

この杉本先生の考えや判断は正しく、その後の6年生での詰将棋解答選手権大会優勝(からの3連覇達成)、14歳での四段昇段つまり棋士デビュー(からの25連勝)などの大活躍につながりました。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

 

藤井四段の師匠の杉本七段の発言は是非一度記事にしたいと思っていました。

 

こうして記事にまとめてみると、杉本七段が、藤井四段の子供時代から、藤井聡太少年を高く評価してきていることがよくわかりました。

 

小学4年生での奨励会入会や、前回書いた詰将棋創作活動の封印など、藤井少年の棋士としての才能にとって何がベストであるかを常に考えて見極めてきたからこそ、最速での棋士デビューも実現したのだと思います。

 

 

藤井四段は、師匠からの信頼・期待に確実にこたえながらここまでやってきました。

 

今後、タイトル挑戦・獲得という期待に、藤井四段がどのようにこたえていくのか、見守っていきたいですね。

 

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